1Q62

自由に、正直に。

昭和14年生まれの女、ふたりのこと。

専業主婦である実家の母は現在80歳、数年前に背骨を「いつのまにか骨折」してから歩くことが不自由になり、今では家で引きこもり状態になってしまった。元気だった頃は、毎日歩いて10分ほどのところにあるスーパーに行って店員さんとかとの交流もあったのだが、今では寡黙な父と二人きり。おそらく会話もあまりないのだろう。ここ数年で、物忘れもひどくなって認知症っぽくなってきた。

 社交的ではなかったけれど、家でいろいろ工夫したり、手芸したり、情報番組を見たり結構楽しくしていたのに、今ではあまり興味を持って何かすることがなくなってしまったようなのだ。「すぐに忘れちゃって、新しいことが覚えられないのよ。」が口癖になっている。

 一方、同居している夫の母親は同じく80歳の今も、週に5日近所のスーパーに2時間ほど品出しパートとして働いている。ときどき友達とバス旅行に行ったりもする、とても元気な高齢者である。

 この同じ年の女性の対照的なこと!どうしてこんなに違うのだろう?素人考えではあるが、推測してみる。二人の人生の決定的な違いは、下の二つ。

  専業主婦 vs 職業婦人(言い方が古い?)

  内向的  vs 外交的

 夫の母親は早くに離婚をしたので、女手一つで男の子二人を育てなければならず、ずっと仕事をしていた。やはり、仕事をすることで足腰も自然と鍛えられるのだろう。専業主婦の家事だって体を動かすとは思うが、個人差も大きい気がする。それに、仕事に出ることで、いろんな人と会話をしたり、頭を使ったり、やはり脳も活性化される。

 私は二人を見ていて、少し前は、苦労を重ねてきた姑より、母は恵まれていて幸せだと思っていた。しかし、今では、年をとっても元気でいることの重要さを再認識している。私の母の今現在の状態を自身がどう思っているのか、私は計りかねる。もしかすると、不自由ではあっても楽しくないと思っているわけではないかもしれない。でも私は、やっぱり、元気で自由に生きたいと思う。

 終わり良ければ全て良しというもの、二人を見ていると本当に考えさせられるのである。